MRI

当院のMRI検査の紹介

MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略で大きな磁石と電磁波(高周波)を使った検査です。狭いところに入る!大きな音がする!など欠点もありますがX線被ばくもなく安全な検査といわれています。また造影剤を使用することなく血管や胆嚢・膵管・脊髄腔などを描出することも可能な非侵襲的な検査です。

また脳外科外来(火~土午前中)診察時においては予約不要で随時撮影が可能で撮影時間は約10分です。他科の撮影においても2台のMRI装置を保有し随時撮影が可能となっています。撮影内容にもよりますが診察・撮影・結果説明が当日可能となっています。

MR装置の原理

MRは強い磁石と電磁波(高周波)によって人体を撮影します。

MR画像とは

強い磁場の中で、患者様の身体に電磁波を加えます。これより、体内の水素原子が共鳴し電磁波を止めると、共鳴した水素原子から微弱な電磁波が発生します。

MR装置はこの微弱な電磁波を受信して、コンピュータにより画像化する装置です。

特長

このような原理から、MRには他の医療画像にはない幾つかの特長があります。
・X線を使うレントゲンや、CTのようなX線被曝がありません。
・体内のどの部位でも、任意の断面が撮影できます。
・他の医療画像と比べ、コントラスト分解能力に優れているので、病変の発見が容易です。
・造影剤を使用せずに、血管撮影や脊髄腔撮影(ミエログラフィー)などができます。

AIR・Anterior Array Coil~柔軟な素材の軽量コイル~
◆患者さんの快適さと優れた撮像性能を実現します

これまでのコイル素子とは全く違う素材であるインカワイヤーとe-Modeプリアンプより構成され、非常に軽量かつ柔らかい構造で布団のようなコイルです。
そのため、常に患者に密着したコイルセッティングを可能とし、患者さまの負担の低減やワークフローの向上とともに高画質・高分解能イメージングが可能となりました。
体型や体格を問わず、あらゆる患者さまに心地よくフィットし、無理のない体勢で、様々な撮影が可能となりました。

超伝導MRI装置

・Signa Pioneer AIR・IQ Edition 3.0T GE-HC社製 令和4年9月稼働
・optima 360 advance 1.5T GE-HC社製 平成25年1月稼働
当院では最新機器導入を繰り返し他施設に先駆け3.0T・1.5T装置の2台を保有し年間約8000件の検査依頼があり約40%が近隣医療機関から紹介を受けています。2台のMRI装置は共にMRI信号をデジタル化することによりノイズの少ない鮮明な画像提供が可能になっています。

3.0T

1.5T

MRI画像紹介
■頭頸部MRI・MRA

造影剤を使用することなく脳血管から大動脈弓部までの血管撮影が可能です。
動脈瘤がある場合ワークステーションにより3D表示することも可能です。
拡散強調画像より神経線維の描出も可能です。

頭部MRI

頭部MRA

前交通動脈瘤

内頚動脈MRA

■腹部MRI・MRCP

腹部MRI

MRCP(胆嚢)

■骨盤領域のMRI

前立腺MRI(男性)

骨盤MRI(女性)

■四肢のMRI

肘 MRI

膝 MRI

足趾 MRI

下腿 MRI

■その他MRI

肩 MRI

股関節 MRI

乳房 MRI

頭部領域Diffusion Tensor Imaging(Tractgraphy)

従来、T2強調画像等を使用して脳神経の描出は行われてきましたが、平面情報(2D撮影)しか得ることができませんでした。

また、近年、高速3D撮像(FIESTA, TrueFISP, b-TFEなど)が可能になり、立体的な情報を得ることができるようになりましたが、他の組織も描出されてしまうため、脳神経のみを描出するには至っておりませんでした。

拡散テンソル画像が登場して脳神経のみを立体的に描出することが可能になり、脳腫瘍の手術前後の情報、変性疾患などへの応用が期待されています。

MRI

整形領域:T2 Mapping(Cartigram)

従来、関節軟骨の評価はT1強調画像、プロトン強調画像などを使用して形態的な評価をMRIでは行っていました。したがって、損傷が起こる前の段階(関節軟骨の変性など)を把握することはできていませんでした。

変形性関節症では軟骨の変性を捉えることが、その後の治療方針を決定する上でも重要だと言われています。数年前から海外を中心とした研究機関等の7.0Tシステムを使用してT2マッピング(関節軟骨のコラーゲン配列が崩れることによってMRIの指標の一つであるT2値というものが変化します。この変化を各ピクセル(ポイント)毎に測定し、カラーマップしたもの)というものが関節軟骨の変性を把握するための試みとして行われてきました。

近年この撮像手法が3.0Tおよび1.5Tの臨床機で利用可能になりました。日本国内においても昨年の日本磁気共鳴学会において、スポーツ選手の関節の検診への有用性が示唆された報告も出ていました。

骨盤領域(DWI)

撮影技術の進歩により息止めが出来ない患者様でも、ブレの少ない画像の提供が可能となりました。また、造影剤を使用せず胆嚢、総胆管、膵管の描出能も向上しました。造影剤を使用する撮影においても、短時間での息止めで、撮影が可能となり患者様にやさしい機種となっています。

非造影腎動脈撮像(Inflow IR)

腰椎ダイレクトサジタDWI
b=2000

3D ASL(非造影頭部パフュージョン)による
CBFマップ(T2強調画像とのフュージョン)

全脳のVolumeデータ収集
(撮像時間 約5分)